真空吸着チャック

多孔質セラミックスの特性を活かした真空吸着チャックです。

多孔質セラミックスとは、スポンジのように内部から表面まで連続して繋がった穴(連通孔)が形成されたセラミックスです。

他に真空吸着盤、バキュームチャック=Vacuum Chuck、チャッキングプレート=Chucking Plate、など呼び方は様々ありますが、吸着面を真空にすることによって吸着物を大気圧で押さえて固定する(=chuck(チャック))もので、吸盤なども同じ原理です。
従来は溝や穴を加工することで空気の流路を作り吸着させていましたが、フィルムなど薄型の吸着物の場合には溝や穴に吸い込まれて変形するなどの問題点があります。一方、多孔質セラミックスは、ミクロンサイズの穴が全面に広がっているため、吸着物の変形無く均一に吸着することが可能です。

当社の真空チャックは、素材から加工までの一貫製造が可能で、多様なオプションを取り揃えて対応致します。
詳しくはお問い合わせ下さい。

多孔質吸着盤

多孔質セラミックスの特性を活かし、吸着物(フィルムや基板、ウエハーなど)全体を偏りなく均一に吸着固定することができます。
大気圧中であれば磁性・非磁性を問わずに吸着することが可能です。

薄型半導体デバイス、3次元メモリ基板の固定、薄膜・フィルムの固定、フリップチップボンダー用吸着ステージなど、薄膜品の保持に適しています。

部分吸着ステージ AH吸着盤

特殊素材の多孔質セラミックス(AH材)を使用することで、部分吸着を可能とした吸着盤です。
一枚のステージで、8インチと12インチのようにサイズが異なるワークを吸着することができます。

通常の多孔質吸着盤は、全面を覆わないとリークにより吸着面は真空でなくなるため固定できませんが、AH吸着盤は気孔径および気孔率を制御した素材を使用することで開放部からのリークを抑え、真空状態を保たせるため部分吸着固定を可能にしております。

乾式加工用吸着ステージ、異型物対応の検査用固定ステージなど、様々な用途にご使用頂けます。

製品ラインナップ・技術紹介

ラインナップ

品名 平均気孔径 [μm] 気孔率 [%]
MP580 580 45~50
MP230 230 45~50
MP130 130 45~50
MP100 100 45~50
MP060 60 45~50
MP040 40 45~50
導電性 25 15~18
AH 2 30~35
  • ・多孔質部は標準品として、100μm、60μmをご用意しておりますが、ご要望に応じて気孔径を選択することが可能です。
  • ・標準平面度:5μm
    サイズ、形状、使用温度によって異なるため、詳細はお問い合わせ下さい。

※記載したデータは代表値であり、保証値ではありません。

  • ・大型品や角型などの異形状にも対応致します。
  • ・ヒーター内蔵品や、導電性材料の使用、黒色ベース(画像認識用)など、用途やご要望に応じた製品をご提案することも可能です。

高精度多孔質吸着盤


《接合面SEM写真》

  • ・金属(SUSやアルミ)のベース部と多孔質セラミックスを接着する標準品とは異なり、軽量(密度3.9g/cm3)かつ高剛性なアルミナセラミックスをベース部に使用することで、吸着盤の各種寸法精度を向上させることが可能です。
  • ・φ300サイズで平面平行度3μm以下に対応可能です。
  • ・金属をベースとする真空チャックに較べ、経時変化や温度変化の要因となる接着精度の安定性が大幅に向上いたします。
  • ・特殊接合により接合境界面で生じる隙間の問題を解決し、吸引や加圧による凹みが生じません。

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