ジャケットヒーター

配管加熱を主目的とした工業用のフレキシブルヒーターです。
脱着=取り外し 取り付け が容易なように、ジャケットのような構造を有しています。
面ファスナー留め、ベルト留め、ホック留め、ボタン留め など各種選択可能です。
最高で800℃仕様のヒーターまで対応可能です。
ご要望に応じ、設計・作製を行います。 複雑形状や細配管にも対応可能です。

用途

配管メンテナンス性の良い脱着可能な配管加熱ヒーター。
ステンレス配管などを効率よく、高断熱性=省エネに加熱。
半導体及び、液晶関連装置 (LP-CVD、P-CVD、Etcher など)の排気配管、真空ポンプ及び除外装置の周辺で主に使用。
分析装置など他の用途でも多数の使用実績あり。
※お客様の要望に沿って設計・作製を行いますので、 上記以外の用途でも使用は可能です。

特長

  1. 1.二重絶縁構造ヒーター線の使用

    • ●絶縁の高信頼性
    • ●狭ピッチ縫製可能
    • ●均熱性の向上
    • ●耐久性の向上

  2. 2.高温域での使用にも対応

    不燃性の無機材料で構成されており、800℃仕様まで対応可能です。

  3. 3.多種多様な形状に対応可能

    配管は細管から大型管まで、他にも複雑形状のヒーターも対応可能です。
    コスト・利便性を考慮した形状、仕様のものを提案致します。

  4. 4.無機物で構成されているため、アウトガスが少ない
  5. 5.不燃性 (無機物で構成)
  6. 6.優れた省エネ性能
  • ・CADによる設計
  • ・NCミシンによる配線縫製
  • ・熟練縫製技能者による丁寧な縫製

構造

構成材料

ヒータ線 二重絶縁構造ヒータ線
耐熱800℃
外被材 シリコンコートガラスクロス
テフロンコートガラスクロス
内部断熱材 ガラスフェルト等
内被材 焼成済ガラスクロス

性能データ

省エネデータ

当社のジャケットヒーターの消費電力ををラバーヒーターとで比較いたしました。

※測定方法

  • ・サイズは40A-500L
  • ・電力量カウンターにてそれぞれの消費電力量を測定する。
  • ・ヒーターの温度を150℃まで昇温させ、十分な時間(1時間以上)経過後、消費電力量(W・h)を算出する。

各ヒーター消費電力量の比較データ[W・h]

温度分布

当社のジャケットヒーターの各点の温度分布を測定いたしました。

※測定方法

  • ・φ38、長さ350mmの配管にヒータを巻き、制御温度180℃設定での昇温時及び安定時の配管温度を測定
  • ・温度測定箇所は下図の通り
  • ・制御用熱電対は配管表面に取り付ける

温度測定箇所

ジャケットヒーターの各点の温度分布

※記載したデータは代表値であり、保証値ではありません。

アプリケーションツール

1.コントローラー(PID制御方式)

ジャケットヒーターの温度制御をすることを目的としたコントローラーです。

  1. ①温度調節器

    PID制御の中枢で、センサー(熱電対)を使って制御対象(ヒーター)の現在値を測定し、この入力信号を設定値と比較演算しながらSSR※1に最適な出力信号を送ります。
    また、調節器にはオプションとして ヒーター断線やヒーター過昇温の検知機能があります。

    • ※1:SSR:ソリッドステートリレーといい、半導体リレーです。温度調節器から受けた信号により適宜ON/OFF動作を繰り返し、制御対象(ヒーター)へ出力します。

特徴

  • ・温度制御精度 ±1℃
  • ・半導体リレーによりON/OFF作動接点が長寿命
  • ・センサーの仕様範囲であれば:
    温度設定は-200℃~+1000℃まで制御可能

オプション

  • ・電流計
  • ・警報装置(断線警報など)
  • ・漏電ブレーカー
  • ・ヒューズ

2.HOT N2システム

温められた窒素ガスを配管に送り込むことで配管内のガスの液化、固化を防ぎます。
拡散・CVD及びエッチング工程などで生じる配管詰まりの問題を解決する為に開発されたシステムです。
ジャケットヒーターと併用するとより効果的です。

Point
  1. 高温(100~200℃)のN2ガスを配管内部に放出
  2. メンテナンス周期の延長
  3. 生産性UP!
ベンチュリー効果

配管内壁に沿ってHot N2ガスを放出し生成物の付着を防ぐ

設置場所
  1. ①. 真空ポンプ排気口 直上
  2. ②. 連動バルブ部

1ユニットの効果 4~6m
(使用条件により異なる)

使用例
  1. 導入前

    使用後30日
  2. 導入後

    使用後180日
  1. ①CVD PSIN 工程

    メンテナンス周期 1ヶ月→8~12ヶ月

  2. ②メタルエッチング 工程

    メンテナンス周期 2ヶ月→12ヶ月

※使用環境によって個体差はあります。

3.ジャケットフォーム(低コスト配管保温材)

配管保温を目的とした高機能断熱材です。
その場で目的に合わせて、容易に加工可能です。

高断熱
約1.5倍の断熱性※1
省エネ
ヒーター消費電力量約30~40%削減※1
高耐熱
最高使用温度約200℃
安全
不燃性、難燃性素材で構成
加工性
ハサミ等で容易に加工可能

※1 シリコンラバースポンジ比

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